ドローンに使われているバッテリーは、「リチウムポリマーバッテリー(通称リポバッテリー)」と呼ばれるものです。これは、携帯電話等のバッテリーとしてよく利用されている「リチウムイオンバッテリー」の仲間で、どちらも基本的な構造は同じです。(リチウムイオンがプラス極とマイナス極を行き来することで充電・放電を行います。)
これらリポ・リチウムイオンバッテリーは、以下の長所があるため色々な場面で使用されています。
・大容量かつ軽量、小型
・自己放電が非常に少ない
・メモリー効果がない(継ぎ足し充電しても容量が減らない)
・電圧が高い(高出力)
さて、このように非常に優秀な電池なのですが、実はその取り扱いには細心の注意を払わねばなりません。
皆さんは携帯電話やモバイルバッテリーが発火する/爆発するといったニュースをご覧になったことはありませんか?
上記特徴からもお分かりのように、リチウムポリマー/イオンバッテリーには、多くのエネルギーが詰まっています。しかも、電解質に利用しているゲル/液体は、可燃物です。ですから、ひとたび何か問題が生じると発火・爆発(それもかなりの勢いで)する恐れがあるのです。(YouTube等にたくさん動画があります)
しかも、ドローンで使用されるリポバッテリーは、金属管を使用しているリチウムイオンバッテリーと比べ外部からの衝撃に弱く、充電に関してもシビアな管理が必要とされますので、特に注意して管理・使用しなければなりません。
今回はリポバッテリーを扱う上での注意点を簡単にいくつかご紹介いたします。(より詳しい内容については、当スクールの講習内にてお話いたします。)
◆ 過充電は厳禁
携帯電話等に使用されているリチウムイオンバッテリーは、過充電とならないよう安全制御が働く仕組みが機器のほうに備わっていますが、リポバッテリーの場合は一部の高額なものを除きそのような仕組みがない物が多いため、ユーザー自身で充電を管理する必要があります。目の届く範囲で充電するようにしてください。また、ニッケル水素バッテリー用の充電器では絶対に充電しないでください(過充電状態による発火の可能性が大いに高まります)
◆ 満充電/使い切った状態で保管しない
満充電での保管は、電池の劣化につながります。また、使い切った状態(過放電)ではガスが内部に発生しやすく、非常に危険です。
対処法として、残量60%-50%の状態での保管が推奨されています。(DJI社のPHANTOM 4用バッテリー充電器では、ストレージモードで50%充電になります)
◆ 衝撃を加えない
当然の話ですが、高い密度で大容量のエネルギーが詰まっていて、可燃物の入ったものに外部から強い衝撃が加わったら、発火・爆発に繋がります。ドローンが高所から落下した場合、リポバッテリーにも強い衝撃が加わっている可能性があります。この場合、すぐに発火・爆発せず時間をおいて発火等に至る可能性もあります。一旦バッテリーを安全な場所へ置き、様子を見ましょう。また、バッテリーが膨らんできた場合・柔らかくなっている場合は要注意です。絶対にその状態で使用・充電しないでください。速やかに安全に廃棄してください。
他にも気を付けなければならない点は沢山ありますが、特にこの3点は注意してもらいたいです。安全に正しく使いさえすれば、非常に優秀で便利なバッテリーです。ドローンを使う前に、まずバッテリーの扱い方をスクール等でしっかり覚えることをお勧めします!
<ドローンニュース>
JUIDA東日本ドローンスクール