鉄道ファンには「乗り鉄」「録り鉄」「時刻表鉄」など、30種類以上の分類があるそうですが、その中でもポピュラー?な、列車の写真を撮ることに楽しみを見出す「撮り鉄」の一人がドローンで危険な撮影をし、先日航空法違反容疑で書類送検されました。
”男は8月19日午前6時5分頃、国土交通相の承認を得ずに、千葉県松戸市下矢切の「北総線江戸川橋梁」付近で、橋から省令で定める距離(30メートル)を保たず、ドローン(重さ約300グラム)を飛行させた疑い。男は「迫力ある映像を撮りたくて、どんどん近づかせてしまった」などと話しているという。”(以上参照記事より引用)
大好きなものの迫力ある映像を撮りたいという気持ちはわからなくもないですが、非常に危険な行為です。
この「撮り鉄」さんが使用の機体は重さ200g以上のため、たった300gでも法的には立派な『航空機』。航空法の適用範囲内です。
航空法の定める飛行方法では「第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との間に距離(30m)を保って飛行させること」とあり、もしも30m以内をどうしても飛行させなければならない場合は事前に国土交通大臣の承認を得る必要があります。今回の事件はこれにあたり、かつ北総鉄道へもおそらく許可取りをしていなかったのではないでしょうか。
ただ、仮に承認・許可を取っていたとしても、線路付近はもちろん、走行中の電車等を近くで撮影しようということ自体が非常に危険な行為だと思います。今回は大きな被害等は出ていませんが、もしタイミング等が悪かったら大変なことになっていたかもしれません。
さて、上記記事とは別件ですが、先月岐阜で起きた「菓子まきドローン墜落事件」(この操縦者はプロでしたがこの事件でもそれ以前のイベントでも国交省の承認を得ていない機体を飛ばしていました)がきっかけで、国土交通省が年内にも改正航空法に基づくドローン飛行の安全基準を強化するという話も聞きました。事件を受けて催し場所上空での飛行について観客との距離に具体的数値を定めるような改定となりそうです。
日本はドローン飛行に関しては、諸外国と比較して、ものすごく厳しい規制があるほうではありません。ですが、今回ご紹介したような事件があまりに多くなると、趣味では飛ばせないくらい厳しい規制がかかるようになってしまうかもしれません。そうなってしまわないためにも、一人でも多くの方にドローンのことをもっと学んでから飛ばしてほしいと思います!
<ドローンニュース>
<JUIDA東日本ドローンスクール>